焼肉やバーベキューで食中毒!?
気温がぐんぐん上昇してくるこれからの季節に増えてくるのが、食中毒。
調理のときは、生肉・魚用と野菜用のまな板を使い分けるなど、調理器具の衛生に気を配っている人も多いのでは?
でも、わりと無頓着に使ってしまうのが、焼肉用のトング。
あなたは、こんな使い方をしていませんか?
意外に多いトングや箸の使いまわし
今日はちょっと気張って焼肉屋へ行こう!
今度の休みはみんなでバーベキューをしよう!
―― 焼肉はワクワク幸福感を感じるハレの日の食べ物かもしれませんね。
その焼肉に欠かせない調理器具アイテムが、生肉をはさむトング。
みなさんは、どんなふうに使っていますか?
平成27年に消費者庁が行った「バーベキューにおける食品衛生に関する消費者意識の実態調査」によると、バーベキューを行うときに、約4割(44.3%)の人は生肉を取り扱うときと、焼き上がった肉を取り分けるときに使う箸やトングの使い分けをしていないことがわかりました。
生肉についている菌に注意
気温が高まる季節は、細菌による食中毒が増えますが、その中でも発生件数が多いといわれているのが、牛肉や鶏肉などに付着する「腸管出血性大腸菌(O157、O111など)」や「カンピロバクター」などの細菌。
どちらも肉に付着する菌で、少しの細菌量でも食中毒が発生するのが怖いところです。
カンピロバクターも腸管出血性大腸菌も熱に弱い菌なので、十分に加熱して食べれば食中毒は防げるそうです。
ところが、生肉をつかんだトングで、焼けた肉をとり分けて、ついでに同じトングでサラダもとりわける……などということをしてしまうと、生肉に付いている汚染菌がトングを介して焼けた肉やサラダの野菜に付着して、食中毒発生ということがしばしばあるそうです。
とくに、子どもは食中毒になると重症化しやすいので要注意!
自分の箸で生肉や生焼けの肉をさわらないように、大人が十分に気を配ってあげたいものですね。
ちょっとした気のゆるみが食中毒の原因に
また、バ-べキューの肉を買うときには、パッケージにも注意して。
本来、菌は肉の表面にしかいませんが、成型すると混ざってしまうので、さいころステーキなどの加工肉は中心部まで十分に加熱することがとくに大事だといいます。
成型肉である場合は、その表示義務がありますから、肉を買うときはパッケージのラベルをチェックしましょう。
そのほか、バーベキューでは、肉や魚、卵をさわったらそのたびに手を洗う、食材にふれるときは手を洗う、肉や魚などの食材は調理直前まで、クーラーボックスなどで冷やして保管する、などにも注意したいところ。
先に紹介した消費者庁の調査では、「自分や家族、参加者を食中毒にしてしまうかもしれない」と思ったことがある人は 17.3%。実際、過去にバーベキューで食べたものが原因で体調を悪くしたことがあると思う人も 6.6%いるとのこと。
せっかくの楽しい食事が食中毒でダウン……などという残念なことにならないよう、気を付けたいものですね。
<参考資料>
*「食中毒」(汐文社:伊藤武)
<参考URL>
*「バーベキューにおける食中毒・火傷に注意」消費者庁
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/150729kouhyou_1.pdf