梅雨時期にこそお酢!
日中の気温がうなぎ上り、夏日、真夏日といった暑い日が続くこの時期。
食品のもつ抗菌パワーを生かして気になる食中毒を防ぎたいものですが……?
今回はお酢の抗菌作用について考えてみました。
すし飯のお酢の割合はごくわずかでも、効果は絶大?
食品を傷みにくくしたり、抗菌作用のある食品といえば、みなさんご存知の「お酢」ですよね。
昔からお酢の防腐効果や抗菌効果、菌を増やさない増殖抑制効果は知られていました。
魚を酢でしめたり、ご飯に酢を混ぜたりしていたのですが、そんな食の保存の知恵は、冷蔵や冷凍の技術が発達したいまでもしっかり受け継がれています。
たとえば駅弁は日持ちを考えてつくられていて、酢飯を使った駅弁は全国にたくさんあります。
奈良県や和歌山県の名物の「柿の葉ずし」は有名ですし、富山県の「ますずし」もよく知られています。
他にも、ちらしずしや酢でしめたコハダやサバ、アジなどを使った駅弁がたくさんあります。
もちろん、いなりずしとのり巻きも駅弁はもちろん弁当の定番中の定番としてはずすわけにはいきません。
お酢パワーで食中毒菌もイチコロは本当?
お酢の抗菌効果は、酢酸度が高いほど効果が強まるといわれています。
食中毒菌をお酢の原液に浸すと数分で死滅するということもいわれます。
(株)ミツカンが名古屋大学、岡山大学などと共同で行なった研究によると、お酢を約40倍に希釈した溶液(酢酸度0.1パーセント)を使い、複数の食中毒菌に対して静菌(抗菌)の効果を調べてところ、サルモネラやブドウ球菌、腸炎ビブリオなど、多くの食中毒菌に対して抗菌効果があることが分かったそうです。
酢酸度0.1パーセントといってもあまりピンときませんが、たとえばすし飯に使うお酢は、ご飯の量に対して8パーセントくらいが一般的なようです。
このすし飯の酢酸度を計算すると0.27パーセントくらいになります。
数値としてはとても頼りないですけど、効果は絶大……!
なんとなくすし飯の抗菌効果が分かるような感じがしてきませんか?
夏に酢の物を食べた方が良いわけ
すし以外にも、なますやラッキョウ漬け、ショウガの甘酢漬け、アジの南蛮漬け、野菜のピクルスなど、酢を使った料理はたくさんあります。
先の(株)ミツカンのお酢を使った抗菌効果の研究によると、紅白なます(酢酸度1.2パーセント)に約1万個の病原性大腸菌O—157をつけて25℃の室温で24時間保存したところ、100個以下に減少したほか、ラッキョウ漬け(酢酸度1.2パーセント)でも同数の病原性大腸菌O-157が24時間後には100個以下に減少するなど、オドロキのお酢の抗菌・殺菌効果が実証されたそうです。
お酢のパワー、おするべし!……(う~ん……$%#*@)。
もっと気軽にお酢を活用してみる
さすがにご飯にこれほどのお酢を使うのは勘弁してほしいですが、すし飯ほどではないけれど、少しのお酢を米に加えるだけで抗菌効果が得られるようです。
お米を炊くときにお酢をひとたらし(米2合に対してお酢大さじ1=酢酸度0.1パーセント)加えるだけでいいらしいですから試してみたらいかがでしょう。
気になるほどのお酢のにおいはしないそうですから、弁当のご飯やおにぎりには向いていますね。
他にもマグロやカツオ、サーモンの刺身も季節がら生食が不安なら、マリネにしたり、カルパッチョにするといいかもしれません。
また、お酢には疲労回復の効果があるともいわれています。
食中毒対策にとどまらず、体の面倒までみてしまうというお酢の万能パワーをぜひ味方につけたいですね。
<参考URL>
*「お酢を使って安心!抗菌ライフ」((株)ミツカン)
http://www.mizkan.co.jp/company/newsrelease/2004news/040701-00.html
*「ナチュラルで安心な食酢の抗菌効果」((株)ミツカン)
http://www.mizkan.co.jp/company/newsrelease/2006news/060515.html
*「食品の静菌作用」(東京都福祉保健局)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/rensai/guide17.html