
夏冷えのお話――その1
毎日の猛暑で、体調崩していませんか。これだけ暑いと冷房の温度設定もいつもより下がりがちになり、通勤電車やオフィス内の冷房がきき過ぎてつらいと感じている人も多いのではないでしょうか? 今回から2回シリーズで、女性の大敵「夏冷え」のお話をしましょう。
冷えが招くさまざまな不調
女性の約8割は冷えに悩まされているというデータもあるほど、冷えは女性にとって身近な不調のひとつです。
夏のオフィスの寒さに悩む女性は意外と多く、外は猛暑日でも、オフィスの中は冷え冷え。
カーディガンをはおって寒さに震えながら仕事をしているという声もよく耳にします。
からだが冷えると、頭痛や肩こり、生理痛もひどくなってつらいですね。
また、からだの冷えは生理前のイライラや不安(PMS=月経前症候群)の症状もひどくするそうです。さらに、肌荒れやむくみなど美容面にも影響するといわれていますから、冷えは働く女性の大敵ともいえます。
血液の循環が悪くなって起こる
「手足がジンジン冷たくなる」「肩が冷えて痛くなってきた」……冷えは、体温が下がって起こるように見えますが、実際には体温が低いわけではないそうです。
ではなぜ寒く感じるかというと、手足などからだの末端の表面の皮膚温度が下がるから――
これは体温の調節をしている自律神経が乱れて、血液の循環が悪くなっているせいだといわれています。
血行が悪いと心臓から送られるあたたかい血液が手足などの末端部分までいきわたらなくなり、冷えを感じるそうなのです。
冷え症は血液のめぐりが悪くなることから起こるのですから、冷房から身を守るために上着や靴下をはいて防御するだけでは、その場の寒さはしのげても根本的な改善にはつながらないようです。
生理前や生理中は冷えがひどくなりやすいのは?
女性の冷えは、外気温だけでなく、女性ホルモンの変動も影響しているといわれています。
女性の生理(月経)のリズムは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンが分泌されることによって生まれています。
自律神経も女性ホルモンも同じ脳の視床下部というところが、司っていますから、生理前や生理中などホルモンに変調をきたしやすいときは、自律神経も乱れがち。
生理前や生理中に冷えがひどくなると感じるのは、そんな理由があるようです。こ
の時期は、からだを冷やして冷え性を悪化させることのないように、気をつけたいものですね。
ところで、男性に比べて女性に冷え症が多いのは、からだの構造的な違いもあるといいます。
これについては、次回、冷え性対策と共にお話したいと思います。
<参考資料>
*「ウィメンズ・メディカ」(小学館)
*「女も知らない女のカラダ」(経済界:対馬ルリ子)