
「ブルーマンデー症候群」が危ない?
「明日から仕事か・・・」深いため息もやがて寝息に変わり、静かに日曜の夜が過ぎていく……
気分の落ち込みもそれほどなく、平穏に何事もなく日曜夜をやり過ごすことができたとしてもまだ安心はできません。
翌月曜日にはさらなる憂鬱が待っている……?「
ブルーマンデー」と呼ばれる魔物がひそんでいるらしいのですが……。
月曜の午前は要注意……病気や事故が多発する?
どうにもこうにも働く人の心の負担は尽きないようです……。
前回紹介した日曜夜の憂鬱「サザエさん症候群」とあわせて、月曜朝の憂鬱「ブルーマンデー症候群」を感じる人は4割超えという調査結果もあるらしいのです。
それならいっそ休日をなくしてしまえば、こんな憂鬱な時間を過ごすこともなくなるかもと、つい過激なことを想像してしまいます。
それはさておき、月曜日はたしかに他の曜日に比べると会社にいくのがおっくうに感じるものです。
もし土日をはさんで3連休をとるなら「金曜日より月曜日」と答える人は多いかもしれません。
さらに仕事のミスは月曜の午前中に多いともいわれます。
厚生労働省の調べ(自殺死亡統計の概況)によると、曜日別の自殺者では月曜日が男女ともいちばん多く、もっとも少ない土曜日の1.3〜1.5倍もの開きがあります。
また鉄道自殺件数(未遂も含めて)は月曜日がいちばん多いともいわれます。
さらに月曜日の午前中は、心筋梗塞や脳卒中が多く発生するということも医療関係者の間では広く知られているようです。
どうも月曜日は単なる「休日の翌日」ではなくて、特別な曜日なのかもしれませんね。
ところで「ブラックマンデー」といえば1987年10月19日月曜日のニューヨーク証券取引所を発端に世界規模で発生した株価の大暴落をさした言葉ですが、月曜朝の「マンデー」もむしろ「ブルー」どころか「ブラックマンデー」と呼んだほうがピッタリな感じです。
*そういえば憂鬱とか株価とかには関係ないけれど「ブラック・サンデー」というサスペンス映画がありました。
こちらは「サザエさん」のようなほのぼのとした作品ではありませんでしたけど……。
1977年の作品で政治的な理由から劇場公開は見送りになったといういわくつきの映画です。
心血管の事故を引き起こす月曜朝の「ダブル・プロダクト」って?
この「ブルーマンデー症候群」に関連することで、愛知県の病院が「月曜日の午前は他の曜日に比べて心臓にかかる負荷が高まっていることが分かった」という調査結果を発表しました(東京新聞5/30付朝刊)。
それによると血圧については曜日による明確な差はでなかったものの、心拍数については月曜日の午前10時が他の曜日の同時刻に比べて明らかに高かったといいます。
この心拍数に最高血圧の数値を掛け合わせた数値を「ダブル・プロダクト」と呼ぶらしいのですが、これは心臓への負荷を示す数値だそうです。
最近の研究では、この「ダブル・プロダクト」は血圧以上に心臓や血管の病気のリスクを高めるとされているそうで、調査では「月曜午前の『ダブル・プロダクト』の上昇が心血管の事故の増加と関係している可能性が高い」としています。
「月曜の午前は休み明けで、環境の変化と仕事量が多いこともあり、ストレスが高まり心臓に負担がかかっているのではないか」と調査に当った病院長は推測しています。
日曜の夜から月曜の朝にかけての憂鬱は、やはりただの「沈んだ気分」ではすまされないものがあるようです。
対策としては「月曜午前の仕事量を減らす」「大事な仕事は月曜日に入れない」など、いろいろいわれているようですが、仕事に関することは会社がらみ、職場がらみの対処法なので、一筋縄ではいかないだろうと思われます。
結局、重い体を引きずるようにしてとにかく出社するしかないわけ?……
う〜ん全面的解決はむずかしいだろうけど、たとえばたまにはズル休みするとか、月曜午前はダラダラしてみるとか、遅刻してみるとか?
……といっても仕事への取り組み方や個人の性格もあるから、ブルー対策も一筋縄ではいかないですね。
ましてや今、季節は猛暑ときてるわけで、どうも勝手が悪い……。
とはいえ、場合によっては命にもかかわる「ブルーマンデー」。
自分なりの対応策を考えることは必要だと思うのですが……歯切れが悪いことばかりで申し訳ありません。
<参考資料>
*「月曜午前 心臓負荷高まる」(東京新聞2017年5月30日付朝刊)
<参考URL>
*「自殺死亡統計の概況・2005年」(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/index.html
*「『月曜日の朝は鉄道自殺が多い』は本当だった」(東洋経済オンライン)
http://toyokeizai.net/articles/-/170214
*「ブルーマンデー症候群が1番多い年代層は?」(J-CAST会社ウォッチ)
https://www.j-cast.com/kaisha/2014/10/20218328.html?p=all