知っておきたい! 高血圧と朝食の関係
朝食抜きの生活が「ふつう」になった人には「耳が痛い」というか「耳にタコ」の話題ですが、
やっぱり朝ごはんを食べないと、さまざまな体のトラブルを引き起こすというのは今では、もう誰でも知っているいわば常識です。
「え〜、またか……」「もう分かったよ!」といったうらみ節も聞こえてきそうですが、健康について考えるうえでも、ぜひご一読を……。
20歳代の男女の4人に1人は朝食を抜いている?
「分かってはいるんだけどねえ……」
「朝は忙しくてねえ……」
「食うより寝る、だよね〜平日の朝は……」
朝食を食べない人の理由はさまざまでしょう。
もちろん朝、食べないことが体によくないことは十分に承知しているんです、ほとんどの人は……。
厚生労働省の調べによると、朝食を食べていない人の割合は、男性(20歳以上平均)で14.3パーセント、女性(20歳以上平均)で10.1パーセントでした(平成27年国民健康・栄養調査)。
「え〜たったそれだけ?」とか「そんなにいるの?」など、人によって感想は違うでしょうが、
若い世代に限ってみてみると、20〜29歳の男性では24.0パーセント、女性では25.3パーセントが朝食を食べていません。
なんと20歳代の男女の4人に1人が朝ごはんを食べていないことになります。
とくに男性の場合、30歳代で25.6パーセント、40歳代でも23.8パーセントと、他の年代でも朝食抜きが目立っています。
ちなみに女性の場合は、それぞれ14.4パーセント、13.7パーセントで、年齢を重ねるにしたがって、男性に比べて女性の健康意識の高さが顕著にあらわれているようです。
*この調査での朝食の欠食とは、「食事をしなかった場合」「錠剤などによる栄養素の補給、栄養ドリンクのみの場合」「菓子、果物、乳製品、嗜好飲料などの食品のみを食べた場合」の合計です。
朝食抜きで脳出血のリスクが4割増大する?
朝食を食べないと肥満や糖尿病、高血圧、脂質異常症など、さまざまな生活習慣病にかかるリスクが高まるといったことがこれまでいわれてきました。
それに加えて最近の調査によって、朝食を抜くと脳出血のリスクが増大するということが分かったらしいのです。
国立がん研究センターと大阪大学の研究チームが、全国の45歳〜74歳の男女約8万人を対象に「朝食抜きと脳卒中の関係」について調べたところ、朝食を「毎日食べる」グループに比べて、「まったく食べない」か、「ほとんど食べない」グループの脳卒中の発症リスクが18パーセント高いことが分かったといいます。
脳卒中の中でもとくに脳出血に関しては36パーセントもリスクが増大したということです。
*脳卒中とは、脳梗塞(脳の血管が詰まる)、脳出血(脳の血管が破れて出血する)、くも膜下出血(脳の表面をおおうくも膜の下に出血がある)、一過性脳虚血発作(一時的に脳の血流が悪くなり運動マヒ、感覚障害などがみられる。脳梗塞の前ぶれ)などの総称。
脳卒中や脳出血は高血圧と深い関係があるといわれています。
血圧の高い状態が続くと血管が弾力を失い、かたく、もろくなる動脈硬化が進み、やがて脳の血管が破れて出血してしまいます。
脳出血は命を失うこともあるこわい病気です。
高血圧は「サイレントキラー」(沈黙の殺し屋)ともいわれ、これといった自覚症状がないままひそかに進行し、あるとき突然命を脅かすというこわい病気です。
では、なぜ朝食を抜くと脳出血のリスクが増大するのでしょう。さらに高血圧との関係はどうなっているのでしょう? それについては次回以降、ご紹介します。
<参考URL>
*「平成27年国民健康・栄養調査報告」(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/h27-houkoku.html
*「『朝食抜き』はこんなに危険!」(文春オンライン)
http://bunshun.jp/articles/-/1106
*「朝食抜きは良いことなし 学力低く、脳出血リスク4割高、冷え性率も2倍に…」(産経ニュース)
http://www.sankei.com/premium/news/170611/prm1706110010-n1.html