幽霊の正体見たり枯れ尾花……を科学する
今日は、幽霊の話を・・・。
ホラー映画や心霊番組を見た後は、なんだか窓ガラスに何かがうつっていそうな気がしてこわい――
なんていう経験ありませんか?
今回は、ちょっと不思議な脳のお話です。
いろいろなものに顔を見出してしまう
心霊写真といえば、たいていが集合写真ですね。
そしてその背景に示された赤い丸印の中をよ~く見ると、「あっ、たしかに霊の顔がうつっている!」となるわけですが、実はこれはシミュラクラ現象(日本語では類像現象)といわれるもので説明がつくそうなのです。
人間の脳は、3つの点や線が人間の目と口の位置に配置されていると人の顔と認識してしまう脳の働きがある――これがシミュラクラ現象と呼ばれるものです。
そういわれてみると、顔文字(‘_’)もその錯覚を利用してつくられています。
ただの図形の集まりなのに、(^◇^)こんなふうに楽しそうに見えたり、(^^;)冷や汗タラ~リに見えたりするわけで、それが顔文字を送った相手にも通じてしまうから不思議ですよね。
ウィキペディアによると、そもそも人は、敵味方を判断したり、相手が好意をもっているのかそうではないのかといった感情を予測する目的で、まず相手の目を見る習性があるそうです。
つまり、人の顔と同じように配置されたものを見れば、たちまちその中に顔を見つけてしまう脳の働きがあるようなのです。
脳は案外騙されやすい
「ものを見る」のは目の働きと思われがちですが、実は「見る」という行為には脳も深くかかわっているといいます。
目だけでものを見るのではなくて、目から送られた視覚情報が脳に届いてはじめて「映像」として認識されるそうなのです。
いろいろなものに顔を見つけてしまうのは、脳の誤認識ともいえます。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という言葉がありますが、私たちの「怖い」という心の動きが幽霊を見出してしまうのかもしれません。
脳といえば人間の思考や行動、生命維持を司る人体の最高司令官なのですが、でも、実は案外騙されやすい――人は見たがるほうに見てしまうものなのかもしれませんね。
<参考URL>
*シミュラクラ現象(ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki
*目とメガネに関する豆知識(セイコーアイウエア株式会社)