「孤食」にまつわるお話
実りの秋、味覚の秋。秋は食べ物がおいしい季節ですね。
みなさんはおいしく食事をしていますか?
ライフスタイルが多様化して、家族がいてもいなくても、ひとりでごはんを食べる人が増えているといいます。
今回は「コ食」のお話です。
いろいろな「コ食」。あなたにあてはまるものは、ありますか?
最近目につく「コ食」という言葉。
実はいろいろな「コ食」があるようです。
服部学園理事長で食育研究家でもある服部幸應氏が指摘しているのが「6つのコ食」です。
・孤食:家族不在の食事でひとりで食べること。
・個食:家族が一緒に食事をしていてもそれぞれ自分の好きなものを食べること。
・固食:自分の好きなもの、決まったものしか食べないこと。
・小食:いつも食欲がなくて、食べる量もが少ないこと。
・濃食:味の濃いものを好んで食べること。
・粉食:粉製品を主食として好んで食べること。
(参考:笑う食卓シリーズ「食育の本」服部幸應 著)
いかがですか?
自分は「孤食」で「固食」で「濃食だ!」などけっこうあてはまってしまう人も多いのではないでしょうか?
ひとりで食べる「孤食」の問題点は?
好きなものばかり食べる「固食」や濃い味付けの「濃食」、パンや麺類など粉ものばかりを食べる「粉食」は、栄養面バランスの偏りや塩分のとりすぎなどで問題も多いことがわかりますが、ひとりで食べる「孤食」の場合、いったい何が問題なのでしょうか?
ひとりの食事は、誰にも気を遣わずに気楽に食べられる利点はありますが、好きなものを好きな時間に好きなだけ食べてしまうことから、肥満につながりやすいと専門家は指摘します。
また、アルコールの飲みすぎにも注意が必要だといいます。
たしかに誰かといっしょに食事をすると、人目を気にして「食事もアルコールもほどほどに」となるようです。
また、おしゃべりしながら食べると、よく噛みゆっくり食べて、食事をおいしく味わって食べることができるでしょう。
もうひとつ。自分のこととして感じるのは食事のマナーの問題です。
スマホを見ながらひじをついて食べていたり、買ってきた惣菜をパックをそのまま食卓に出したり、と誰の目もない「ひとりごはん」は際限なくお行儀が悪くなっていきそうです。
そういえば、向田邦子さんのエッセイにもそんな話がありました。
『男どき女どき』という本の中の「独りを慎む」という話です。
厳格な家庭で育った向田さんですが、ひとり暮らしを始めてから、フライパンで炒めたものをじかに食べたり、煮物を鍋ごと食卓に置いてよそわずに食べたり……ひとり暮らしになって、行儀が悪くなっている自分ある日気づくというエッセイです。
誰も見ていなくても「独りを慎む」――思わず背筋をピンと伸ばしたくなる言葉ですね。
ところで最近は、子どもの孤食や高齢者の孤食も増えているそうです。
【参考URL】
*「みんなの食育」(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics1_02.html
*食育ナビ(さいたま市)