飲みすぎて記憶をなくす 「ブラックアウト」を防ごう
前回は、飲みすぎて記憶が飛ぶメカニズムについて解説しました。
今回は、その防止策についてのお話しです。
ブラックアウトを防ごう
飲みすぎて記憶が飛ぶことを「ブラックアウト」といいます。
ブラックアウトを起こすと、照れくさいこともあって、
「昨日のことは飲みすぎて覚えていない。まいったなぁ」――とつい笑い話ですませてしまいがち。
しかし、泥酔してたびたびこのブラックアウトを起こしていると、
脳がダメージを受けてしまうと専門家は警告します。
脳の健康を考えるなら、「ブラックアウト」はしないのがいちばんなのです。
では、どのくらい飲むとブラックアウトが起こるのでしょうか。
アルコール健康医学協会のホームページに、「アルコールの血中濃度と酔いの状態」が出ているので、簡単にご紹介しましょう。
◆爽快期
(血中アルコール濃度0.02~0.04=ビール中瓶1本、日本酒~1合、ウイスキーシングル~2杯)
・さわやかな気分になる
・皮膚が赤くなる
・陽気になる
・判断力が少し鈍る
◆ほろ酔い期
(血中アルコール濃度0.05~0.10=ビール1~2本。日本酒1~2合、ウイスキーシングル3杯)
・ほろ酔い気分になる
・理性が失われる
・手の動きが活発になる
・体温が上がる
◆酩酊初期
(血中アルコール濃度0.11~0.15=ビール3本、日本酒3合、ウイスキーダブル3杯)
・気が大きくなる
・大声でがなりたてる
・怒りっぽくなる
・立てばふらつく
(社)アルコール健康医学協会「お酒と健康を考える」より抜粋
そして、酩酊期を経て泥酔期(血中アルコール濃度0.31~0.40=ビール中びん7~10本、日本酒7合~1升、ウイスキーボトル1本)に入ると、
起きていることが記憶できないブラックアウト状態に。
さらに、昏睡期(血中アルコール濃度0.41~0.50=ビール中びん10本超、日本酒1升超、ウイスキーボトル1本超)では、脳全体にマヒが広がって、死に至ることも。
……怖いですね~。
ブラックアウトが起こる「泥酔期」は「昏睡期」の1歩手前ですから。はかなり怖い状態にあるといえます。
「食べながら、ゆっくり飲む」「水と一緒に飲む」のがポイント
昔から「酒は飲んでも飲まれるな」といいますが、ブラックアウトを防ぐには、
やはり、飲む量はほどほどに。
食べながらゆっくり飲むのがポイントなのだそうです。
また、「チェイサー」「やわらぎ水」といいますが、お酒の合間に水を飲むことで、
酔いのスピードをゆるめる、深酔い、悪酔いを防ぐことができるようです。
お酒は、おいしく飲んで、楽しいひとときを送りたいものですね。
<参考URL>
*「お酒と健康」(アルコール健康医学協会)
http://www.arukenkyo.or.jp/health/base/index.html
*「知っておこう 上手な飲み方、付き合い方」(サッポロビール株式会社)
http://www.sapporobeer.jp/tekisei/shikumi/yoi.html
*「知る 楽しむお酒と健康」(キリンビール株式会社