
知っておきたい女性とアルコールのリスク
安くて、庶民的な立ち飲み屋が人気です。
親父の聖域といわれる立ち飲み屋ですが、今は男性客に混じって、
ひとり飲みする女性をよく目にするようになりました。
また、居酒屋に寄らなくても、家に帰って、
晩酌を楽しむ「左党女子」も増えているようです。
そんな中で懸念されているのが、女性のアルコールによるさまざまな健康リスクの問題です。
お酒好き女子が増えてきた?
「今日は疲れた~」なんていう日も、アルコールを飲むと、
なんだか疲れがとれるような気がしますよね。
嫌なことがあった、などという日も、
気分転換にお酒を飲む女性も多いことでしょう。
かつて、男性は辛党で酒が好き、
女性は甘党でお菓子や果物が好きというイメージがありました。
しかし、今はスイーツ男子と呼ばれる甘党男子もいれば、
お酒に強い左党女子も増えてきました。
実際 日本酒造組合中央会が全国3,000人を対象として行った
「日本人の飲酒動向調査」(2017年)によると、
お酒を飲む女性は1988年では52.6%でしたが
2017年では72.9%と約10年間で20%以上もアップしました。
飲酒量が増えた理由では男女ともに1位は「誘われる頻度が変わった」、
2位は「普段の生活でのストレス程度が変わった」という回答でした。
女性は男性に比べてアルコールの害を受けやすい
確かに、お酒を飲むと、気持ちがなごみますが、
女性の場合は「飲みすぎ」に注意が必要だといいます。
なぜなら、男性より女性のほうがアルコールの害を
受けやすいといわれているからなのです。
たとえば、多量の飲酒は骨密度を減少させることや、
アルコールの飲酒量に比例して乳がんのリスクが高まることが知られています。
また、妊娠中の女性の飲酒は、
生まれてくる赤ちゃんにさまざまな影響があるといわれています。
さらに、女性の場合、男性よりもアルコール肝障害から肝硬変になるのも早く、
アルコール依存症にもなりやすいそうなのです。
若い女性のアルコール依存症が増えている?
でも、なぜ女性は男性比べて、アルコールの害を受けやすいのでしょうか。
まずは、体格的な問題があります。
一般に、女性は一般に男性に比べて小柄なために、
アルコールの処理能力が低いそうなのです。
また女性ホルモンの影響で肝臓の機能が男性よりも低いことから、
アルコールが長く体に残ってしまうといわれています。
同じ量のアルコールを摂取しても、
女性は男性の2倍悪影響が出ると指摘する専門家もいます。
厚生労働省研究班の調査によれば、
近年は高齢男性とともに若い女性のアルコール依存症が急増しているそうですから、
お酒が好きな女性にとっては、なんともショッキングな報告ですね。
お酒をのむ女性にとっては、無視できないこの問題。
どんなふうにお酒と付きあっていけばよいのでしょうか
――それについては、次回詳しくお話します。
<参考URL>
*「女性の飲酒と健康」e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-04-003.html
*「日本人の飲酒動向を発表」(日本酒造組合中央会プレスリリース)
*「女性とお酒」(サッポロビール株式会社)
http://www.sapporobeer.jp/tekisei/miseinen/josei.html