
【New】梅雨どきの洗濯物の嫌な臭いの正体は?
梅雨どきに憂うつになるのが部屋干しの洗濯物。
きちんと洗濯したはずなのに、いや~な臭いがしてくることはありませんか?
部屋干しの悪臭の原因を探ってみました。
洗濯物に菌が増殖して臭いを放つ
生乾きの洗濯物から臭う、雑巾のような独特の部屋干し臭、気になりますよね。
部屋干し臭の正体は、多くの場合繁殖した雑菌なのだそうです。
おもな菌は、人の皮膚に常在する表皮ブドウ球菌や生活環境に多く常在する
モラクセラ菌だといわれています。
菌が増える3条件
でも、なぜ洗濯物に菌が繁殖するのでしょうか?
菌は、(1)栄養源、(2)適度な水分、(3)適度な温度の3条件がそろって時間が経つと増殖します。
梅雨時の洗濯物の部屋干しには、この3条件がぴったりそろっているのです。
まずは、部屋干しを行うと日光の殺菌効果もなく、長時間洗濯物が濡れた状態が続きます。
梅雨時は室内の温度も適度に高く保たれています。
こうした好条件の中で、洗濯しても落としきれなかった食べこぼしや皮脂など汚れが菌の栄養源となって、洗濯物に菌が繁殖。
その結果、生臭いような独特の臭いを放つようになるというわけです。
洗濯物の汚れまわりに要注意
したがって、洗濯しても落ちなかった汚れまわりにはとくに菌が繁殖しやすいといわれています。
多い場合には、1センチ四方になんと1000万個以上の菌が認められるといいますから驚きです。
これでは、せっかく洗った洗濯物も形無しに。
ぜひとも部屋干しの洗濯臭を阻止したいものですね。
洗濯は洗浄力を上げて、乾かす時間を短縮
そこで、梅雨どきの洗濯には以下のような工夫が必要のようです。
(1)汚れがひどい部分は予洗を
襟元や汚れが気になる部分は衣服を洗濯機に投入する前に、事前に石鹸などで予洗を。
事前に汚れを落としてから洗濯機をまわすと、汚れが残りにくくなります。
(2)除菌や抗菌効果のある洗剤などを使う
除菌・抗菌作用のある洗剤を選び、漂白剤や抗菌効果のある柔軟剤を併用すると効果的。
(3)お風呂の残り水は使わない
お風呂の残り水には、汚れや菌が含まれているので基本的には使わないほうがよさそうです。
どうしても使いたいときは洗うときだけ利用して、すすぎは必ず水道水で。
(4)素早く乾かす工夫をする
菌の繁殖を防ぐためには、洗濯物をどれだけ早く乾かすかも大きなポイント。
いつもより長めに脱水をして、エアコンの除湿機能+サーキュレーターの風などをあてて、
素早く乾かしましょう。
(5)洗濯機のカビにも注意を
洗濯機自体がカビに汚染されていると、洗濯物が臭うようになります。
洗濯機も洗濯機用洗剤(カビ取り剤)を使ってこまめに洗浄しましょう。
また、脱いだ服を洗濯槽の中に入れていませんか?
洗濯槽の中は通気性が悪いので菌が増殖する原因になります。
洗濯物はランドリーバスケットに入れて、
洗濯槽はなるべく乾燥した状態を保つように心がけましょう。
いかがでしたでしょうか。
ちょっとしたコツを押さえて、梅雨どきもさわやかに気持ちよく洗濯をしたいものですね。
<参考図書>
*「菌・カビを知る・防ぐ60の知恵」(化学同人 日本防菌防黴学会編)
<参考URL>
*「部屋干しの悪臭 原因はモラクセラ菌」(日本経済新聞 2011年6月19日付)
https://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2800A_Z10C11A6TJM000/