
長く続くストレスが食欲を増加させていた
イライラからつい食べ過ぎて、体重がじわじわと増えていく「ストレス太り」。
実はこれにはあるホルモンが関係しているようなのです。
今回はストレス太りのナゾに迫ってみたいと思います。
ストレスと脳
人は不安や緊張などの強いストレスがあると、一般的に食欲が低下します。
でも、職場や家庭の人間関係や仕事のプレッシャーなど簡単に逃れられないストレスが長期間続くと、脳が食欲をコントロールできずに、太ってしまうことが・・・・。
でもなぜ、こんな事が起こるのでしょうか。
実は、ストレスホルモンがそのカギを握っているようなのです。
ストレスに出会うと起こる「闘争か逃走か」反応
ストレスホルモンという言葉をご存知ですか。
私たちの体は、ストレスを感じるとストレスに対抗するために、副腎からコルチゾールというストレスホルモンが分泌されるといいます。
またアドレナリンやノルアドレナリンも分泌されて、脈拍や血圧が上がり、脳や筋肉の血管が拡張し、体のすみずみにまで酸素や糖を巡らせます。
このことにより、体は緊張し、瞬時に「このままととどまって敵と闘うか」「それとも逃げるか」――どちらの態勢になっても対応できるように即座に準備態勢に入るのだといいます。
これは、太古の狩猟時代から受け継いでいた、人間が敵と遭遇したときに起こる自衛反応。
会議のプレゼン前などにドキドキするのは、特別かわったことではありません。
強いストレスを感じたときに分泌されるストレスホルモンのしわざだったのです。
ストレス太りを招く「コルチゾール」
一時的に強いストレスにさらされると、食欲がなくなる反面、ストレスが続くと、やけ食いや気晴らし食いといった言葉に代表されるように、食べることでストレスを発散しようとする傾向があります。
これもストレスホルモンの影響だといいます。
ストレスを受けると、副腎からストレスホルモンが出ることは先にもお話しましたが、ストレスホルモンのコルチゾールが絶えず分泌されている状態になると、今度は食欲を抑える働きのある脳内ホルモンのセロトニンが減少して、空腹感や食欲が出てくるのだそうです。
ストレス解消が食欲増加にブレーキをかける
人間関係や仕事のプレッシャーなどから起こる慢性的な現代型のストレスは、「闘争か逃走か」に対応する古代から備わった瞬発的なストレス反応では対処しきれないともいえるでしょう。
ストレス太りを遠ざけるには、空腹を感じにくくするセロトニンを活発に働かせるのが大きなポイントだといいます。
セロトニンは、何かに集中していたりしラックスしているとき分泌されるホルモンだといわれています。
残業が多くてつい食べすぎてしまう、お菓子を食べないとイライラするなど、食べることでストレスを解消している人は、「気持ちのいい時間」を多くつくってセロトニンを活性化させて、脳を気持ちよくさせることがストレス太り脱却の早道のようです。
また運動や質の良い睡眠、規則正しい生活を心がけて、脳をベストコンディションにもっていくことも大事なポイントだとのこと。
ストレス太りの仕組みを知って、食欲を上手にコントロールしたいものですね。
<参考URL>
*食事によるストレス制御(メディアミルクセミナー 社団法人日本酪農乳業協会)
https://www.j-milk.jp/tool/hodo/berohe000000k0zv-att/berohe000000k12v.pdf