プラスコラム
PLUS COLUMN

カルシウムだけでは不十分。 骨粗しょう症予防、必須の栄養素

骨粗しょう症予防に欠かせないカルシウムですが、それだけでは不十分だといわれています。

今回は骨粗しょう症予防に必要な栄養素のお話です。

 

日本人はカルシウム不足

骨の材料となるのがカルシウム。

骨の約7割を構成する栄養素だといわれていますから、骨の健康に歯欠かせません。

ところが、日本人に不足している栄養素の代表がカルシウムなのだそうです。

実際、2017年度の「国民栄養調査」の成人の1日あたりの平均摂取量をみると、カルシウムは男女とも全年代で食事摂取基準の「推奨量」を下回っているのです。

 

閉経後の人、過度のダイエット経験者は、とくに注意を

骨粗しょう症は、女性に多いトラブルですが、とくに閉経を迎えた人や過度のダイエット経験のある人は、それだけでも骨粗しょう症のリスク要因になるといわれています。

また、喫煙や過度な飲酒も骨粗しょう症のリスクを高めるそうですから、心当たりのある人は、毎日積極的にカルシウムをとって少しでも骨を元気な状態にしておきたいものですね。

 

カルシウムの多い食品

カルシウム豊富な食品には、

・牛乳や乳製品

・ししゃもやサクラエビなど骨ごと食べられる小魚

・豆腐や納豆などの大豆製品

・わかめ、ひじきなどどの海藻類

・小松菜などの緑黄色野菜

などがあります。

カルシウム豊富な食品を、日々の食卓に意識的に取り入れたいものですね。

 

丈夫な骨づくりに必要なその他の栄養素

ただし、ただやみくもにカルシウム食品をとるだけでは不十分だそうです。

カルシウムは吸収されにくい栄養素であることが知られていますから、カルシウムを効率よくとる工夫が必要のようです。

そのためには、カルシウムの吸収率を高め、強度の高い骨をつくるために必要な栄養素をとることがポイントだといわれています。

そのポイントを見ていきましょう。

 

(1)ビタミンDをいっしょにとる

カルシウムの吸収を高めてくれるのがビタミンD。

カルシウムをたくさんとってもビタミンDがたりなければ、カルシウムの吸収率が悪くなって骨が弱くなるといわれています。

ビタミンDが豊富な食品は

・鮭やサバなどの青背魚

・きくらげや干ししいたけなどのキノコ類

などがあります。

 

また、日光に当たることで体内でビタミンDが合成されるそうです。

特に日照量の少ない冬は、ビタミンD不足にならないよう、太陽の光を浴びる工夫が必要だといわれています。

通勤時に1駅分歩いたり、休日は家に閉じこもってばかりいないで散歩に出るなど、生活の中で無理なく日光を浴びる機会をつくるといいですね。

 

骨の質を高めるコラーゲンをとる

また美容によいといわれるコラーゲンは、骨の質を高めるのにも不可欠だといわれています。

食事のメインの1品には良質なたんぱく質の食品をとり入れたいものですね。

たんぱく質が豊富な食品には

・肉、魚、

・卵、

・大豆製品

などがあります。

 

骨の健康を保つビタミンKをとる

ビタミンKは、カルシウムを骨に取りこみ、骨の形成を促進する働きあるそうです。

骨の健康に欠かせないビタミンKが豊富な食品には

・納豆

・小松菜やほうれん草などの緑黄色野菜

などがあります

 

ちなみに、納豆は、粒納豆よりひきわり納豆のほうがビタミンKの含有量が約1・6倍豊富とされています。

ひきわり納豆にあまりなじみがなかった人は、注目したいですね。

 

いかがでしたか。

見た目は若くても、骨だけが老化していたなどということにならないように、バランスの良い食事をとって、今からコツコツ骨の健康を守りたいものですね。

 

 

<参考図書>

*「骨粗しょう症の予防と治療」(NHKきょうの健康(2017年3月号)

 

<参考URL>

*「平成29年 国民健康・栄養調査結果の概要」(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000351576.pdf

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。