手軽な減塩法は、調味料使いの見直しから
生活習慣病の中でも多くみられるといわれる高血圧。
予防・対策のポイントは減塩にあるようです。
今回は調味料使いを見直してみましょう。
日本人は塩分摂取が多い傾向に
厚生労働省が定める塩分摂取量は、1日あたりで成人男性が8グラム、成人女性が7グラム。
でも、平成28年「国民健康・栄養調査」によると、2017年における成人の1日あたりの塩分平均摂取量は男性で10.8グラム・女性で9.2グラム。
塩分の摂取量は、過去と比べると減少傾向にありますが、それでも日本人はまだまだ食塩をとりすぎる傾向があるようです。
高血圧対策は減塩がポイントに
食塩のとりすぎで招くのが高血圧です。
一般に初期のうちはこれといった自覚がないといわれています。
けれども、ほうっておけば高血圧から動脈硬化→脳卒中、虚血性心疾患などを発症し、最悪の場合、死に至ることもあるので注意が必要です。
塩分をいかに減らすかは、高血圧対策の大きなポイントになるようです。
調味料の見直しを!
薄味に慣れることはもちろんですが、調味料の使い方を見直すだけでも減塩に大きく貢献できるそうです。
たとえば……。
(1)食卓に調味料を置かない
漬物や魚の干物、だし巻き卵などにしょうゆをかけていませんか?
料理の味も見ないで、反射的に調味料をかける人がいます。
調味料の使い過ぎから脱却するために、食卓には塩やしょうゆ、ソースなどを置かないようにしましょう。
(2)調味料は小皿を使う
料理に直接ドボドボとかけがちな調味料ですが、使い過ぎを防ぐためには、小皿に調味料を入れて、少量つけながら食べるとよいそうです。
また100円ショップで売っているしょうゆスプレーも、減塩グッズとして役立ちそうです。
(3)酸味を利用する
たとえば刺身のつけ醤油に柑橘酢を加えたり、焼き魚に柑橘類の果汁を振りかけたり。
レモンやゆず、カボスなどの柑橘系や酢などを上手に使いましょう。
(4)料理にはしっかりだしを効かせる
薄味でもおいしく仕上げるには、だしを効かせるのがポイントです。
昆布やかつお節、煮干しなどのうまみ成分は、単体で使うよりも、複数あわせて使うほうがよりうま味を感じることが知られています。
複数のうまみ素材をあわせて、しっかりだしをとりましょう。
だしをとるのが面倒な人は、昆布やかつおぶし、煮干しなどを水につけて冷蔵庫でひと晩置いてつくる「水だし」が便利です。
「水だし」のキーワードで検索するといろいろな作り方が出てきます。
試してみてください。
加工食品、外食は控えめに
ところで、家庭料理で減塩に気をつけていても、加工食品や外食メニューには、塩分が多いので気を付けて。
外食や加工食品は、できるだけ控えめに。外食をするならば、たとえば麺類はスープを飲み干さないなど、ちょっとした我慢が必要のようです。
濃い味に慣れ親しんでいると、最初は薄味がおいしく感じられないかもしれません。
けれども、薄味に慣れるとおいしく感じられるようになります。
「減塩は無理」と逃げないで、まずはできることから始めてみませんか?
<参考図書>
*「予防と健康の事典」(小学館)
<参考URL>
平成28年「国民健康・栄養調査結果の結果」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177189.html