耳がかゆい!! 「耳かきでガリガリ」は外耳道炎にご用心
花粉症の人にはつらい季節がやってきましたね。
花粉症では、耳のかゆみなどを伴うこともあるそうです。
こんなとき、耳かきの使用に要注意です。
甘く見てはいけない、耳かき外傷
耳のかゆみはつらいですね!
かゆい箇所を耳かきでガリガリ掻くのはとても気持ちよいこと。
でも、外耳道を傷つけてしまうと、炎症や湿疹が起こって外耳道炎を引き起こしてしまうそうです。
外耳道というのは、耳の穴の入り口から鼓膜までのいわゆる耳の穴の事。
外耳道の表面は、普通の皮膚と同じ構造なのだそうです。
耳かきで引っ掻けば、湿疹ができたり、炎症が起こったり、引っ掻き傷が細菌感染を起こして外耳道炎を起こしてしまうことが少なくないそうです。
手や足の掻き壊しは目に見えますが、耳の中の傷は目に見えません。
掻き壊しがひどくなっていても、かゆいと手加減せずに引っ掻いてしまいがちですね。
掻けば掻くほどかゆくなる
外耳道炎が起こると、耳がかゆくなったり痛くなったり、耳だれが出るなどの症状があらわれるようです。
耳がかゆいと、耳かきなどで耳の穴をガリガリ掻きたくなりますが、掻けば掻くほどよけいに炎症がひどくなり、かゆみがさらに増すといった悪循環に陥るといわれています。
「掻かずに我慢」が大事
外耳道炎の予防・対策は、耳をさわったり耳掃除をしないことが重要だそうです。
それにもかかわらず、かゆみに負けて耳をいじって、症状をくり返す人も多いそうなのです。
この悪循環を断ち切るには、かゆみがつらくても、掻かないこと。
ここは我慢のしどころです。
耳掃除が気持ちよいわけ
ところで、耳掃除をするとなぜ気持ちよいのでしょうか。
それについては、耳の穴には快感を生じさせる迷走神経というものが分布しているために、耳かきなどで刺激すると気持ちよく感じるといわれています。
また、耳に限らず、かゆいところを掻くと報酬系と呼ばれる脳の部位が活発になるということも報告されているようです。
毎日のように耳を掻いてしまう――耳かきが癖になっている人が多いのもうなづけますね。
耳掃除は不要!?
気持ちよい耳かきですが、専門家は耳かきによる耳掃除をすすめていません。
日本耳鼻咽喉科学会のホームページに「子どものみみ・はな・のどの病気Q&A」というページがあります。
それによると、「耳アカは、耳の入り口付近に移動してくるので、耳掃除は綿棒などを使って見える範囲のものを無理せずにとるように」としています。
耳アカは自己流でとる人がほとんどかもしれません。
でも、誤ったやり方で耳を傷つけてしまう人が少なくないそうです。
耳に傷をつくってひどくしないためにも、耳がかゆいとき、耳アカが気になるときは、耳鼻咽喉科で相談して耳アカをとってもらうとよいですね。
<参考資料>
*家庭医学大事典(小学館)
*『なぜ皮膚はかゆくなるのか』(PHP新書:菊池新著)
<参考URL>
*「子どものみみ・はな・のどの病気Q&A」(日本耳鼻咽喉科学会)
http://www.jibika.or.jp/citizens/handbook/mimi2.html