あらためて見直したい免疫の力
昨年から続いている風疹の流行は、終息する気配がなく、専門家は引き続きワクチン接種を呼び掛けています。
ワクチンを打つと、免疫がつくといいますが、どういう仕組みなのでしょう。
免役について考えてみました。
免疫がつくってどんなこと?
風邪やインフルエンザ、その他の感染症が流行ると、よく耳にするのが「免疫力をあげて、病気を遠ざけよう」という言葉。
では、あらためて免疫っていったいどんなもの? と問われると、なかなかすぐには答えられない人が多いのではないでしょうか。
知っているようで知らない「免疫の仕組み」。
どんなものか見ていきましょう。
あらゆるところに病原体が
実は私たちの身の回りはウイルスや細菌でいっぱいのようです。
たとえば、英国のある調査では、スマホに付着した雑菌の数は、トイレの10倍という結果が出たとか。
また、風邪やインフルエンザにかかっている人は、1回のせきで約10万個ものウイルスを放出するなどともいわれています。
まさに私たちの身の回りには病原体がウヨウヨ、ウジャウジャいるわけですね。
でも、そのわりに私たちは毎日とっかえひっかえいろんな病気にかかることはありません。
それは、私たちの体に備わった免疫システムのおかげともいえます。
二重のシステムで敵を撃退
そもそも免疫には、「自然免疫」と「獲得免疫」があるそうです。
自然免疫は生まれたときから体に備わっていて、ウイルスや細菌などの外敵が入ってくると、まっさきにやっつけてくれる先発部隊。
先発部隊の「自然免疫」が侵入した異物を撃退できないときには、「獲得免疫」が出動して撃退してくれるそうなのです。
獲得免疫とは、生まれたあとに備わるもので、さまざまな病原体など異物と接することにより獲得される免疫反応なのだそうです。
敵の再度の侵入を許さない
獲得免役のすごいところは、自然免疫からもらった情報をもとに、感染した病原体を見分けて強力に戦い、さらにそれを記憶すること。
次回同じ敵が侵入したときには、素早く抗体をつくって排除し、病気になりにくくすることです。
ワクチンはこの免疫の仕組みを利用しているそうですよ。
免疫細胞のがんばりに感謝
体内に侵入しようとする病原体や異物に対して、二重のシステムで防御する免疫細胞たち……体内では、毎日こんな戦いが繰り広げられているのですね。
がんばっている免疫細胞たちをなんだかいたわってあげたいような気持にさえなってきます。
腸活はやっぱり大事!
ところで、体の免疫細胞の6割から7割が腸にあることが知られています。
腸内細菌のバランスを整えることは、そのまま免疫力のアップにつながることがわかっています。
そのために、まず重要なのが食事。
よくいわれていることですが、腸内バランスを整える発酵食品や食物繊維、オリゴ糖などを積極的にとるとともに、免疫細胞を活性化させるためにもたんぱく質やビタミン、ミネラル類などバランスのよい食事をとることが大切だといわれています。
免役システムにがんばってもらうためにも、食事をおろそかにせず、食事内容やバランスを考えてきちんととっていきたいものですね。
<参考図書>
*家庭医学大事典(小学館)
<参考URL>
*「トイレより汚い?”スマホ菌“の危険性(日テレNEWS24 2018年11月30日)
http://www.news24.jp/articles/2018/11/30/07410549.html