20代~30代多い顎関節症ってどんな病気?
口が大きく開かない、顎関節が痛む、「カクカク」「ざらざら」などの音がする――こんな経験はありませんか?
もしかしたら、それは顎関節症かもしれません。
顎関節ってどこにあるの?
現代病といわれる顎関節症(がくかんせつしょう)は、一生のうち、2人に1人は経験すると言われるほど多いトラブルなのだそうです。
でもそもそも顎関節って何? どこにあるの?
という方も多いことと思います。
あごの関節というと、イメージ的には耳の下あたりにありそうですが、実はもう少し上にあります。
耳の穴の少し前に指を当ててみてください。
口を開け閉めすると 骨がぐりぐり動く場所がありませんか?
ここが顎関節です。
自由に食べられずQOLが低下する
顎関節症は、顎関節や筋肉の痛みや口の開けにくさ、カクカクといった関節音などの症状が出る病気。
顎関節症になると、硬いものが食べられなかったり、大きな食べ物の丸かじりが出来なかったり、歯科の診察時にも困ったり……。
命にかかわる病気ではありませんが、生活の中でさまざまな不都合が生じます。
20代~30代に多いトラブル
「平成28年 歯科疾患実態調査結果(厚生労働省)」をみると、顎関節症がもっとも多かった年齢層は、20~24歳。そのほか20代後半から30代など若い世代に多くみられる傾向があります。
いくつもの要因が重なって発症
はっきりした原因はわかっていないようです。
しかし、もともと顎関節や顎を動かす筋肉が構造的に弱かったり、あごにかかるストレスや悪い噛み合わせ、姿勢の悪さなどいくつかの要因が複雑にからまりあって発症するようです。
こんな癖や慣ありませんか?
顎関節症の発症の原因はさまざまですが、日常生活や癖、仕事など以下のようなことがきっかけとなって顎関節にストレスがかかって、顎関節症を誘引することがあるようです。
・パソコンやスマホなど、何かに熱中しているときに上下の歯を接触させる癖がある(歯列接触癖)。
・携帯電話やスマホを長時間操作する。
・頬づえをよくつく。
・片側の歯で噛む癖がある。
・下あごを前に突き出す癖がある。
・横向き、うつぶせ寝をする(机に突っ伏していつも同じ側を下にして寝る)
・手枕や腕枕をする。
・精密作業など緊張が持続する仕事をしている。
・人間関係などストレスが多い。
など。
いかがですか?、
思いあたるふしがたくさんあるという人も多いのではないでしょうか。
できることから改善を
1つ1つは重大なリスクにならなくても、こうした要因がいくつも重なって症状が出るといわれています。
逆にいえば、生活習慣の改善を心がけることが予防・対策につながるそうです。
仕事や人間関係のストレスなど、すぐに改善できないものもありますが、癖や習慣などは、心がけしだいで改められそうですね。
なお、気になる症状があるときは、一度は歯科・口腔外科を受診して、治療が必要かどうか、相談することをおすすめします。
<参考URL>
*「平成28年 歯科疾患実態調査結果の概要」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-28-02.pdf
*「口腔外科相談室」(日本口腔外科学会)
https://www.jsoms.or.jp/public/disease/setumei_kansetu/
*テーマパーク8020「顎関節症」(日本歯科医師会)
http://www.jda.or.jp/park/trouble/index04_02.html