妊娠を考えていなくてもとりたい「葉酸」ってどんなもの?
妊活中から妊娠期には欠かせないといわれる栄養素が「葉酸」。
葉酸ってそもそもどんなものなの?
今回はそんな疑問に答えるべく、葉酸の基礎知識をお伝えします。
ビタミンB1の仲間
「葉酸」は水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種。
なんだかビタミンらしからぬ名前ですが、ホウレンソウの葉から発見されたことから「葉酸」と呼ばれているそうです。
葉酸の働きですが、ビタミンB12とともに赤血球をつくる、血液の大事な材料となることが知られています。
また、細胞増殖に必要なDNAの主成分である核酸の合成や発育の促進などに深く関わっていることから、赤ちゃんの新しい細胞がつくられる妊娠期はもちろん、授乳期にも必要な栄養素だといわれています。
「葉酸」は妊婦さんの強い味方
さまざまな研究から、受胎前後に葉酸が不足していると、赤ちゃんの脳や脊髄のもととなる神経管の先天異常のリスクが高まることが分かってきたそうです。
そこで厚生労働省は、妊娠を考えている女性、妊娠の可能性がある女性に対して、積極的に葉酸を摂取することを推奨しています。
妊活中からとることが大事
超音波で妊娠が確認できるのが妊娠5週ころと言われていますが、このころはすでに赤ちゃんの脳や脊髄のもととなる神経管がつくられているとき。
つまり、葉酸は妊娠が判明する前から積極的にとることが大事なのだそうです。
女性に多い貧血対策にも必須
では、妊娠を考えていない女性にとって、葉酸は必要ないのでしょうか?
実は、妊娠を考えていない女性にとっても葉酸は必要な栄養素だといわれています。
というのも、女性の鉄欠乏性貧血はとても多く、月経のある女性の5人に1人が鉄欠乏性貧血だといわれています。
先にお伝えしたように、赤血球の形成を助ける葉酸は、女性に多いといわれる貧血予防に欠かせない要素です。
ふだんから、積極的にとりたいものですね。
うつ病や動脈硬化のリスクも軽減
また、葉酸不足は、認知症や動脈硬化の発症リスクにも関係するといわれています。
さらに葉酸不足になるとうつ病のリスクがあがるという研究報告があるそうでから、女性に限らず男性もしっかりとりたい栄養素だといえます。
緑黄色野菜に多い
葉酸を多く含む食品は、レバーやほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜、果物ではいちごやライチなどがあります。
外食やインスタント食品をとることが多い人、アルコール好きの人は、葉酸不足になりがちだといわれています。
仕事で高いパフォーマンスを発揮するためには、健康管理がなにより大事なポイントになります。
ふだんから緑黄色野菜など葉酸の多い食品を多くとることを心がけて、心も体も元気に過ごしたいものですね。
<参考資料>
*「食の医学館」(小学館)
*「心の病を治す 食事・運動・睡眠の整え方」(翔泳社 功刀浩著)
<参考URL>
*eヘルスケアネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html
*日本心臓財団「葉酸」
https://www.jhf.or.jp/topics/2014/003494/