
冷蔵庫に入れておいても食中毒の危険!?
食中毒が心配になる季節。
食べ物はとにかく冷蔵庫に入れておけば安心だと思っていませんか?
でも、冷蔵庫には食中毒の意外な落とし穴があるようです……。
冷蔵庫内の汚れに注意
近年は冷蔵庫の大容量化がすすみ、生鮮食品や野菜の鮮度も保ってくれるので、とくに共働きの世帯では、週末のまとめ買いが普通になってきたようです。
冷蔵庫にさえ入れておけば、食べ物が腐らないような気になりますが、過信は禁物だと専門家は指摘します。
とくに注意したいのが、冷蔵庫の中の汚れ。菌やカビの繁殖原因になるそうです。
あなたのうちの冷蔵庫は大丈夫?
ドアポケットにケチャップや牛乳のこぼれたあと、野菜室には野菜の泥やしなびた葉っぱなどが落ちていませんか?
菌が繁殖しやすい野菜室とドアポケット
ちょっと古いデータになりますが、兵庫県立生活科学研究所が2008年に行った冷蔵庫汚染の調査によると、冷蔵庫の中でもっとも注意すべき場所が野菜室。野菜室の中に野菜くずがあるかどうかで、菌数が100~1000倍も異なってくるそうです。
また野菜室に次いで多くの菌が検出されたのが、調味料などの汚れがつきやすい冷蔵庫のドアポケットだと報告しています。
掃除は消毒用エタノール拭きで除菌を
ところで、冷蔵庫の掃除といえば、まず思い浮かぶのは水拭きですが、菌に汚染されていた野菜室をふきんで水拭きしたところ、菌数がかえって増加したそうです。
効果的に掃除をするなら、消毒用エタノールでの拭き掃除がよいといいます。
庫内の清潔を保つための工夫
たとえば泥付きの野菜は洗って泥を落としてから野菜室に入れたり、保存袋に入れて保管するといったひと手間が野菜室の汚染防止に役立つようです。
また、定期的に冷蔵庫をチェックして古い食品や調味料は思いきって捨てることも大事なポイント。
保存容器はサイズや形を揃えて、見やすく使いやすくすることも、冷蔵庫の整理に役立ちます。
すぐに使わない分は冷凍保存を
また、野菜や肉や魚など生鮮食品は、すぐに使わない分は早めに冷凍を。
野菜ならさっとゆでて小分けにして冷凍したり、肉などは下味をつけて冷凍しておけば、忙しい毎日の調理の時短になります。
梅雨から夏は、冷蔵庫を過信せず、安全に使いたいものですね。
<参考資料>
*栄養と料理「そこが知りたい! キッチン衛生学」(2016年8月号))
<参考URL>
*「家庭用電気冷凍冷蔵庫の細菌汚染状況に関する試験研究」(兵庫県立生活科学研究所)