
賞味期限を過ぎても食べられる!?
食品を選んだり買ったりするとき、消費期限とか賞味期限をどの程度参考にしていますか?
期限が過ぎたものをどうしていますか?
消費と賞味の2つの期限表示について考えてみました。
特売で得したつもりが損ってことも?
夕方とか夜、スーパーへいくと惣菜や刺身、パンなどの食べ物が格安で売られていることがよくありますよね。
あえて特売になる夜の時間帯をねらってお店に買い物にいく人って、案外多いかもしれません。
とくに夜の閉店間際の時間帯になると半額セール、投げ売りということになって、各種のお弁当やパン、コロッケ、トンカツなどの惣菜類はもちろん、おはぎや大福、おにぎり、いなり寿司、魚や肉類などを求める人で店内は大混雑という光景が日常的に見られます。
これらはどれも食品の消費期限が迫っているからということなのでしょう。
お店としては、捨てるよりは安くしてでも売ったほうがいいからということでもあります。
ただ、ありがちなことですが、値段が安いがためについつい買い過ぎてしまい、その日のうちに食べきれず、結果、残った食べ物を捨ててしまうということもありますよね。
安く買ったつもりが結果として高くついたといったこともなきにしもあらずで、捨てられる食べ物ももったいなけれど、お金ももったいないということになって、損したんだか得したんだか分からないなどという経験、誰にでも1度や2度、いやそれ以上あるかもしれません。
消費期限の意味
食品の表示には消費期限と賞味期限があるのはほとんどの人が知っています。
でもその内容をきちんと理解している人は意外に少ないかもしれません。
先に紹介した弁当や惣菜類には消費期限が表示されています。
消費期限というのは「その日付(もしくは時間)までは食べることができます」ということを表しています。
消費期限を過ぎたものは「食べない」というのが原則です。
生鮮食品など品質が劣化しやすい食べ物に表示されています。
賞味期限を過ぎても「食べられない」わけではない?
もうひとつの賞味期限というのは、「その日付まではおいしく食べることができます」ということを表しています。
ただし期限を過ぎても「食べられない」わけではありません。
賞味期限というのは「おいしさの目安」で、期限が過ぎてもすぐに品質が劣化するわけではないので、まだ食べられます。
ただし「早めに」ということになります。
品質の劣化がゆるやかなお菓子類や缶詰め、乾麺、冷凍食品、牛乳などに表示されています。
ただ、消費期限、賞味期限のどちらも「袋や容器を開けない状態で、食品に書いてある保存方法を守ること」が前提です。
いったん袋や容器を切ったり開けたりしたものは品質が劣化しやすくなるので、早めに食べ切ることがかんじんでしょう。
賞味期限が過ぎても食べる人が半数?
賞味期限切れが間近だからとか過ぎたから「捨てる」という人がいます。
「もったいない」話です。
東京都の調査でも「開封・未開封にかかわらず期限内でも捨てる」と答えた人が19.5%いました。
開封済みの場合、「期限内であっても捨てる」という人も21.2%います。
この消費期限と賞味期限については、最近話題になっている食品ロスとからめて議論されているので、関心をもたれる方も多いでしょう。
一方、「期限が過ぎていても気にせず自分の経験や感覚で判断する」と答えた人が半数以上の50.6%もいました。
ところで、スーパーなどで買い物をしている人のなかに、陳列棚の奥に手を伸ばしてなんだかゴソゴソやっているシーンを目にすることありませんか?
どうも消費期限や賞味期限が1日でも先のものを選んでいるようなのですけど、これって結果として消費期限、賞味期限が間近なものが多く棚に残ることになり、売れ残ったり、さらには廃棄を招くということになってしまうようなのです。
ある調査でもかなりの高割合で「棚奥ゴソゴソ」の人がいるということです。
あなたはどうですか? 棚の奥ゴソゴソ派? それとも棚の前スマート派?
<参考文献>
*「栄養と料理/平成30年12月号」(女子栄養大学出版部)
*「平成29年度家庭系食品ロス発生要因等調査」(東京都環境局)
<参考URL>
*「賞味期限と消費期限の違い〜キッズページ〜」(神奈川県)
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/e8z/cnt/f6576/p1085364.html