深刻な不眠症を招く「むずむず脚症候群」って?
夜眠ろうと布団に入ったり、新幹線や飛行機などでじっと座っているときに、足がむずむずしてきて耐えがたい不快感がある……こんな症状はありませんか?
思いあたる人は、もしかしたら「むずむず脚症候群」かもしれません。
決してまれでなない病気
「むずむず脚症候群」という病気をご存知でしょうか?
「レストレッグス症候群」「下肢静止不能症候群」とも呼ばれているそうです。
聞きなれない病名ですから「はじめて聞いた」という人も多いかもしれません。
けれども、日本では実に人口の2~4%にあたる人がこの病気に悩んでいると考えられているそうです。
脚に虫がはうような不快な感覚
「むずむず脚」は、その名の通り、寝床に入ったときやじっと座っているときなどに、アリやミミズなどの虫がはうような、むずむずした不快な症状を感じる病気。
「むずむずする」という言葉以外にも
「脚がピクピクする」
「ほてる」
「痛がゆい」
「チクチクする」
「電気が流れるような感じ」
などさまざまな言葉で表現されるようです。
こうした症状は脚を動かすことによって消えてしまうそうですが、夜、眠ろうとすると不快な症状が起こり、脚を絶えず動かしたくなるために、不眠に苦しむ人が多いといいます。
不眠の原因の1つにこの「むずむず脚症候群」があがるほどです。
40代以上の女性に多い
むずむず脚症候群の原因はまだはっきりわかっていないようですが、脳内の神経伝達物資質のドーパミンなどの機能障害や機能低下などが原因ではないかと考えられているそうです。
この病気は40歳以上の人に多く、男性よりも女性に、とくに鉄欠乏性貧血の人や妊娠中の人に起こりやすいといわれています。
また、腎不全、とくに透析中の患者さんがむずむず脚症候群になりやすいことが知られています。
ほかに、糖尿病などの病気に伴って起こすこともあるそうです。
がまんしないで受診を!
秋の夜長はぐっすり眠るのに適した季節。
それなのに、不快な症状が起こって眠れないのはつらいですね。
一般的にこの病気存在があまり知られていないため、受診しない人も多いと考えられています。
でも、がまんは禁物。
薬による治療が有効だといわれていますから、気になる症状がある人は受診をして、積極的に治療を受けることをおすすめします。
受診するときに、内科がいいのか、むずむずする感覚があるから皮膚科がいいのか? など悩みますが、睡眠専門外来や神経内科などを受診して相談するとよいそうです。
<参考資料>
*「家庭医学大事典」(小学館)
<参考URL>
*身近な医療情報「むずむず脚症候群」(町田医師会)
https://www.machida.tokyo.med.or.jp/?page_id=3325
*レストレッグス症候群/むずむず脚症候群
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-068.html