デスクワーカーは特に注意! 座りすぎが招く健康リスク
「座りすぎの弊害」については、以前当コラムでも紹介しましたが、1日の中で座りっぱなしの時間が長いと健康リスクを高め、寿命も短くなるといわれています。
日本人の平日の座っている総時間は、諸外国と比べても長いそうです。
あらためて、座りすぎの弊害について考えてみました。
座りすぎの健康リスクは喫煙と匹敵す
ここ数年、座りすぎの弊害について、各国でさまざまな角度から研究がすすめられています。
中でも気になるのが、座りすぎることは、がんや糖尿病など病気のリスクを高め、寿命にも影響しているなどの報告です。
WHO(世界保健機関)では、座りっぱなしの時間が多いライフスタイルは、喫煙や不健康な食事、アルコールの飲み過ぎと並んで、がんや糖尿病、心血管障害、慢性呼吸器疾患を引き起こすリスクがあり、死亡原因になっていると警告しています。
メンタルにも悪影響
また座りっぱなしの生活は、体だけでなくメンタル面にも悪い影響を与えるといわれていますから、ストレス社会を生き抜くオフィスワーカーとしては無視できない問題といえます。
日本の座位時間は世界の中でも特に長い
では、日本人は1日のうちにどのくらい座っているのでしょうか?
オーストラリア・シドニー大学の研究調査では、日本の成人が平日に座っている時間は、平均7時間だと報告されています。これは調査した世界20か国中もっとも長いのだそうです。
知らず知らずのうちに長時座っている
え? そんなに?
と思うかもしれませんが、勤務中はほとんど座りっぱなし、家に帰ればソファに座ってテレビを見たり、スマホをいじったり……と知らず知らずのうちに座りっぱなしの生活を送っている人も多いのではないでしょうか?
車で通勤している人、始発駅から座って電車通勤している人は、さらに座っている時間が延びている可能性があります。
30分に1回は立ちあがろう
座りすぎのリスクを減らすには、少しでもいいから歩きまわったりして体を動かすこと。
座りっぱなしを防ぐために90分に1回は体を動かすとよいといわれていましたが、最近では30分に1回は立ちあがることがすすめられているようです。
とくに大きな運動をしなくても、屈伸運動をしたり歩き回るといった軽い運動でもよいそうです。
また、会議中など立ち上がるのが難しいときには、かかとを上げたり、足先を上げたりするなど、座ったまま密かにできる運動でもOK。
こまめに立ち上がったり、足を動かしたりして座りっぱなしの状態をつくらないことが大事なようです。
今日からさっそく試してみてはいかがでしょうか。
<参考URL>
*『スポーツ庁WEBマガジン DEPORTALE 数字見るスポーツの価値』(スポーツ庁)
https://sports.go.jp/special/value-sports/7.html
*『多目的コホート研究 職業性座位時間と死亡との関連』(国立がん研究センター)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3745.html
*『座りっぱなしは死亡リスクが高まる!30分に1度の「小刻み運動のススメ」』(運動器の健康・日本協会)
https://www.bjd-jp.org/archives/column/958