更年期に起こりやすい「ばね指」
曲げた指がばねのように戻る。
こんな症状ありませんか?
それはもしかしたら「ばね指」なのかもしれません。
腱鞘炎が進行して起こる
手の指を曲げようとすると引っ掛かりを感じるようになり、無理に曲げようとすると、指がばねのようにピシッとはじかれるような動きをする――これがばね指といわれるもの。
腱鞘炎が進行すると、指を深く曲げて伸ばそうとすると、このようなばね指になってしまうそうです。
手の指の使いすぎが原因
ばね指は、親指や中指に多くみられるといわれています。
原因の多くは手の指の使い過ぎによるもの。
たとえばパソコンの入力作業など職業柄よく指を使う人、楽器の演奏やスポーツなどで 指を酷使する人に多いそうです。
また糖尿病やリウマチ、透析患者さんにも多く発生するそうですが、それ以外にも、なぜか妊娠中や出産後、更年期でもばね指が多くみられるそうです。
ばね指が悪化すると治療が難しくなるといわれていますから、指に違和感があるときは、放っておかないこと。
早めに整形外科を受診することをおすすめします。
女性ホルモンとの関係
でも、なぜ妊娠・出産時や更年期に「ばね指」が増えるのでしょうか?
その原因は、女性ホルモンと深い関係があるようです。
女性ホルモンの主役といえば、みなさんよくご存じのエストロゲンです。
皮膚にハリを与えたり、髪の発育を促すなど女性を若々しく保ってくれたり、骨や血管の健康を守るなど、女性の美と健康にうれしい働きをしてくれるホルモンです。
そのエストロゲンには、腱や関節を包む膜(滑膜)の腫れをとる働きもあるそうなのです。
妊娠・出産後は女性ホルモンのバランスの乱れから、また更年期は女性ホルモンの分泌が急激に減るために関節を包む膜などがダメージを受けて、ばね指になりやすいといわれています。
早めに治療してすっきり気持ちを切り替えよう
ところで、更年期からはばね指のほかにも、指の変形や手の関節炎なども起こりやすいことが知られています。
更年期になると、これまで健康に自信があった人も、ばね指をはじめとする整形外科領域の病気や、関節リウマチなどの自己免疫疾患、うつ病など思いもよらない病気が出てくることが少なくないようです。
体の節目どきに、病気が出てくると憂うつになりますが、人生100年時代では、更年期はまだ人生の折り返し地点にたったばかりといえます。
次のステージをいかに充実させていくか、その基本となるのが健康管理です。
治療すべきものは治療して、同時に食事や睡眠、運動なども生活習慣を見直して、次のステージのスタートをきりましょう。
<参考資料>
*ウィメンズ・メディカ(小学館)
*家庭医学事典(小学館)
*「指の使い過ぎに注意(ばね指、弾発指)」(暮らすめいと第133号 中日新聞東京本社)