消毒液ではインフルは防げない?
インフルエンザの感染予防にはいろいろあるようですが、最近、アルコールの消毒液は効果が薄いといわれているようです……気になりますね。
感染経路は飛沫、接触、空気?
全国的にインフルエンザの流行期に入ったといわれます。
インフルエンザのウイルスは、感染した人のくしゃみやせきなどによって、ウイルスがのどや鼻などの呼吸器に侵入して起こる飛沫感染がほとんどといわれています。
接触感染といって、感染した人が触れたドアノブやつり革などを介して、ウイルスが別の人の手指に付き、口や目、鼻の粘膜経由で感染することもあるといいます。
また、換気の悪い部屋に感染した人と一緒にいると、空気中に浮遊しているウイルスの細かい粒子を別の人が吸入することで空気感染してしまうこともあるらしいです。
マスク、手洗い、換気には理由があった?
ご存知のように、インフルエンザの予防といえば、手洗い、うがい、マスクが定番。
部屋の換気もよくいわれています。
前述のインフルエンザの感染経路から考えると、どれも「ナットク」しませんか?
たとえばインフルエンザウイルスの飛沫を吸い込まない、もしくは飛沫を飛ばさないためのマスク(ただ、どちらについても、その予防効果を疑問視する意見もあるようですけれども……)。
そして手指に付着したウイルスを洗い流すための手洗い。
さらに室内に漂うインフルエンザウイルスの細かい粒子を外に追い出すための換気。
最近、うがいの予防効果は薄いということがいわれているようです(……だからといって、しないよりは、しても悪いことはないかとは思います)。
消毒液ではインフルは防げない?
なかには手洗いの代わりにアルコール(エタノール)消毒液を使うという人もいらっしゃるでしょう。
様々な種類の消毒液が市販されていて、インフルエンザの予防にも効果があるといわれています。
そんななか最近、「アルコール消毒液はインフルエンザウイルスには効きにくい」という研究結果が新聞などで報道されました。
「鼻水やたん(痰)に含まれるインフルエンザウイルスはアルコール消毒しても効きにくい」ということを京都府立医科大学の研究チームがアメリカの科学誌に発表したというのです。
大学の発表した「研究概要」は素人には少しばかり解読がむずかしいので、新聞の記事を参考にすると以下のようになります(参考:東京新聞12月1日付)。
「たんや鼻水は水に比べて粘り気が高いため、消毒液が効果を得るまでに時間がかかり、その効果が大きく低下した」というものです。
インフルは冬のものは過去の「常識」
あらためて手洗いの効果が確認されたわけですが、ただアルコール消毒液にはまったくインフル予防の効果がないというわけではなく、使うときは「消毒液を手や指にしっかりもみ込む必要がある」ということです。
今年は夏ごろからインフルエンザの流行がいわれました。
インフルエンザは冬のものという「常識」は過去のものかもしれません。
来年の夏には東京でオリンピックが開催され、海外からたくさんの人が訪れることが予想されます。
早めのインフルエンザ対策が必要かもしれませんね。
<参考資料>
*「粘液のインフルウイルスはタフ」(東京新聞/2019.12.1)
<参考URL>
*「インフルエンザ感染患者由来の感染性粘液に対して現行の手指衛生の有効性が低下する状況の特定」(京都府立医科大学)
https://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/2019/files/21731.pdf
*「インフルエンザの感染経路について」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/inful_nyumon.html
*「インフルエンザの流行状況」(東京都感染症情報センター)
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/flu/flu/