
少しの酒でも毎日飲めばがんリスク?
世の酒好きには聞き捨てならない話が発表されました。
少しの酒でも毎日飲むとがんのリスクが上がるというものなのですが……?
1杯の酒でも毎日飲めばがんになる?
人によってアルコールとの付き合い方はいろいろかと思います。
仕事の帰り、ちょっと居酒屋に立ち寄ってとりあえずビールで「おつかれさま」だったり、自宅でテレビを見ながらチューハイでくつろいだり、駅近くの角打ちや立ち飲みの店で日本酒をチビチビやったり……。
どんな酒をどこで飲むにしても「のんべえちゃん」には至福のひとときであることに変わりはありません。
そんな左党の秘かな楽しみに水を差す記事が最近、新聞各紙に掲載されました。
「1日ワイン1杯程度の少量のアルコールでも10年間飲み続けると、がんになるリスクが5%上がる」という研究結果を東京大学などの研究チームがアメリカの医学誌に発表したというのです。
厚労省の「適度」な酒量でもがんリスク?
それによると研究チームは2005〜16年にかけて、病院に入院したがん患者と、がんではない人の飲酒量や飲酒期間を分析したところ、飲酒しない人のがんリスクがいちばん低く、飲酒量が増えるほどがんになりやすいことが分かったというのです。
研究チームによると、少量でも毎日アルコール類を10年間飲み続けると、がんになるリスクが5%上がるというのです。
それは例えば日本酒1合、ビール中瓶1本、ワイングラス1杯(180ミリリットル)、ウィスキー1杯(60ミリリットル)なのだそうです。
あれ、これってもしかして厚生労働省がすすめる「節度ある適度な飲酒」の数値と同じじゃない?
「5%も」なのか、「5%しか」なのか?
そんなわけで厚労省のホームページをみてみましたら、ほとんど同じでした。
同省『飲酒のガイドライン』では1日平均純アルコールで20グラムとしています。
ビール中瓶1本、日本酒1合、ワインはグラス2杯弱、焼酎(25度)はグラス1/2杯、チューハイ7%)350ミリリットル1缶、ウイスキー1杯(60ミリリットル)に相当するそうです。
厚労省の「適度」な量が「危険」ということになってしまいました。
がんリスクが「5%も」なのか「5%しか」なのか、解釈は人により様々でしょう。
ここは酒でも飲みながら、じっくり考えることにしましょうか……?
<参考資料>
*「1日1杯の酒でもがんリスク」(東京新聞/2019.12.15)